補助金は、その時の政権、その年度の政策実現の手段の一つです。その方向性に沿う事業計画・申請内容が有利です。補助金には流行があります。国・自治体の基本政策、予算編成に注目しましょう。個々の情報を見る前に全体像をおさえておきましょう。

◆経産省・中小企業庁 平成30年度2次補正31年度予算案 課題と対応の方向性

〇中小企業・小規模事業者は、「経営者の高齢化」、「人手不足」、「人口減少」という3つの構造変化に直面。これらの構造変化に対応するため、①「事業承継・再編・統合等による新陳代謝の促進」、②「生産性向上・人手不足対策」、③「地域の稼ぐ力の強化・インバウンドの拡大」に重点的に取り組む。

また、非常に大きな災害が頻発している状況を踏まえ、④「災害からの復旧・復興、強靱化」にもより一層取り組んでいく。

〇加えて、消費税率引上げ(2019年10月)や、長時間労働規制(2020年4月)、同一労働・同一賃金(2021年4月)の中小企業への適用も見据え、⑤「経営の下支え、事業環境の整備」に引き続き粘り強く取り組む。

◆経産省・中小企業庁 補助金関係

〇「ものづくり・商業・サービス補助金」「持続化補助金」「IT導入補助金」を一体的に措置。広報、補助金活用から効果検証まで一体的に実施(「中小企業生産性革命推進事業」)。

〇生産性向上等に向けた支援措置を切れ目なく継続的に講じるため、従来補正予算で講じられてきた「ものづくり・商業・サービス補助金」の当初予算化を実現。

〇都道府県が地域の実情に応じた販路開拓支援等の小規模企業政策に取り組むことを後押しするため、「自治体連携型持続化補助金」の当初予算化を実現。

〇中小企業等の連携体が事業者間でデータを共有・活用することで生産性を高める高度なプロジェクトや、地域経済牽引事業計画の承認 を受けて連携して行う事業の設備投資等を支援。

〇地方公共団体による小規模事業者支援推進事業(自治体連携型持続化補助金)【10億円(新規)】地方公共団体が商工会・商工会議所等を活用しながら、小規模事業者等に対して、経営計画を作成する取組や、その経営計画に基づき販路開拓に取り組む費用を支援。

  • 中小企業生産性革命推進事業【1,100億円】<30補正>中小企業等による生産性向上に資する革新的サービス開発・試作品開発・生産プロセスの改善を行うための設備投資や小規模事業 者の販路開拓・生産性向上の取組み、中小企業等のITの導入などを支援。

(注)ものづくり補助金等の説明です。

〇地域未来投資促進事業 【159億円(162億円)】中小企業が地域中核企業や大学・公設試等と連携して行う活動を、新たな技術・サービスモデルの開発から市場獲得まで一体的に支援。

○国内・海外販路開拓強化支援事業 【24億円(新規)】 ・新商品・サービスの開発・販路開拓事業やブランド確立事業、マッチング・海外展示会等を通じた販路開拓等の支援。

○中小企業等強靱化対策 【15億円】<30補正> ・BCPの取組事例や早期復旧事例などを広く紹介するとともに、中小企業等のBCPの策定を支援。

○中小企業のM&A(親族外承継)を円滑化するための措置【創設】 ・事業承継ファンドを通じて中小機構から一定割合以上の出資を受けた場合でも、中小企業税制の適用を可能とする要件緩和を行う。

○事業承継・世代交代集中支援事業 【50億円】<30補正> ・事業承継ネットワークをベースとし、より細かい地域単位で専門家派遣など踏み込んだ支援を行う「プッシュ型事業承継支援」を行う。 ・事業承継を契機に、経営革新や事業転換に挑戦する中小企業の設備投資等に必要な経費を支援する「事業承継補助金」を措置。

○中小企業再生支援・事業引継ぎ支援事業 【70億円(69億円)】 ・後継者問題を抱える中小企業・小規模事業者の事業承継の円滑化を図るために、事業承継に関する適切な助言、マッチング支援等を ワンストップで行う。また、創業希望者と後継者不在事業者等とのマッチングも行う。 ※灰色網がけ欄は対応する主な措置の例示したもの。

○中小企業自家発電設備導入補助金 【自衛的燃料備蓄補助金(50億円)の内数】<30補正> ・社会的重要インフラの機能を担う中小企業・小規模事業者における自家発電設備の導入等を支援。